季節の花
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花材カード
2023年から、shinano+役員を中心に作っています。研究会で配布しています
グラジオラス 花 材 カ ー ド №12
2024年7月21日(日)
御指導 川上裕之先生
2021年9月優秀花 グラジオラス 中菊
グラジオラスは日本には自生種はなく、南アフリカを中心として欧州・西アジア・マダガスカルに180種ほどの原種が自生し、このうち熱帯アフリカや南アフリカの10種類ぐらいの種がもとになって多数の園芸品種が育成されています。日本では明治時代に輸入され、栽培が開始されました。夏花壇を彩るポピュラーな花の一つであり、別名「オランダあやめ」は、夏を表す季語となっています。すらりと伸びた花穂と剣のような形の硬い葉が特徴で、学名のグラジオラス(Gladiorus)はラテン語で「小さな剣」という意味があり、葉や蕾の形からつけられています。花言葉には『密会』や『用心』といったものがありますが、ピンクのグラジオラスには『たゆまぬ努力』等、色ごとに花言葉があるそうです。夏の花材として、花意匠、盛花、瓶花など 多く生けられています。
タマシダ(玉羊歯). 花 材 カ ー ド №11
2024年6月16日(日)
御指導 知地 正和先生
タマシダ(11) ばら(3)
色彩盛花 様式本位 見本花(2024年6月研究会講習にて)
タマシダはツルシダ科タマシダ属に属するシダ科の植物で日本の南部に生息します。
乾燥した地面や樹上に生え、時に観賞用に栽培されます。 漢字で書くと、「玉羊歯」となります。細長い特徴的な葉が規則正しく並んでいる様子が、羊の歯の様に見える所から、「羊歯」の漢字が当てられているようです。またタマシダの茎には葡萄茎(ほふくけい)があり、その茎についている球状の塊茎が玉に見えることから、その名前がつけられたようです。シダ植物で花は咲きませんが、可愛らしい葉の姿から、「愛嬌」、「魅惑」などの花言葉がつけられています。細長い葉は30~40センチほどで垂れ下がり、観葉植物や切り花として多く出回っています。花束やアレンジメントにもよく使われています。 小原流では、盛花、花意匠などによく使われます。また、色彩盛花様式本位の花材として使われ、9.・11・13枚の奇数で 直立型 株生けの挿法で生けます。
アザミ(薊) 花 材 カ ー ド №10
2024年5月19日(日)
御指導 上野夕子 先生
アザミ(薊)
アザミは、キク科アザミ属 及びそれに類する植物の総称である。別名トゲクサ、アザミナ。名前の由来は、アザム〈傷つける、驚きあきれる意〉がもとで、花を折ろうとするととげに刺されて驚くからという説がある。スコットランドの国花。アザミの根は、山牛蒡として漬け物に用いられている。 平地から高山まで広く分布する。日当たりのよい空き地、道端、野原、草原などにふつうに生え、山地の渓流の縁や、砂れき地や海岸などにも出るものもある。葉は互生し、羽状に複雑な深い切れ込みがあるものが多い。葉縁や総苞に鋭いトゲがあり、さわるととても痛い。触れれば痛い草の代表である。花期は春咲きのものと秋咲きのものがある。春咲きはノアザミが代表的で、その他は初夏から秋にかけて紅紫色の球状の花を咲かせる種が多い。生ける時は、何回か水切りをする事。切り口に塩を刷り込むと、水あげがよくなる。初夏の花材として親しまれていて、花意匠、色彩盛花、瓶花をはじめ、写景様式、写景自然、琳派などで生けられている。
菜の花(ナノハナ). 花 材 カ ー ド № 9
2024年 2月25日(日)
御指導 小山 順子 先生
菜の花(ナノハナ)
アブラナ科アブラナ属の一年草または二年草。
菜の花は文字どおり、野菜とする菜っぱの「花」という意味で、もともとはチリメンハクサイから育成された品種です。白菜やカブ、野沢菜、小松菜などの野菜はこの種から改良されたもので花はよく似ています。花材用に栽培されたものは花つきが良く、葉がしまっていて茎が太く、花材として扱いやすいです。
原産地はヨーロッパで、日本では江戸時代に採油目的で栽培され始めました。その後品種改良が重ねられ食用、観賞用など作られるようになりました。草丈は60~80センチになり、葉は強く縮れていて緑色から黄緑色、楕円形でつけ根は茎を抱きます。花の咲く茎は太く、先端に黄色の花をたくさんつけて、下のほうから咲いていきます。
春の代表的な花材でモモやサクラに匹敵する季節感をもっており、小原流では春の枝ものなどと取り合わせて季節感を表現しています。
万年青(おもと). 花 材 カ ー ド №8
2023年12月17日(日)
御指導 金森 厚至 先生
万年青(おもと)
オモト(万年青、Rohdea japonica) 中国から日本の暖かい山地に自生するスズラン亜科の常緑多年草。日本では関東から沖縄にかけての山地、特に西日本に多く自生状態で生育し、観葉植物としても鉢植えで栽培される。古典園芸植物の一つ。 古来、庭に万年青を植えると災難を防ぎ万年も家が栄えつづけるといわれています。四季を通じて緑を保ち大きな葉が何年も青々として子株を増やし続け繁栄します。万年青は、不老長寿の縁起のよいお花と言われています。小原流では、瓶花、琳派、写景様式、色彩様式などで生けられています。
水仙(スイセン) 花 材 カ ー ド № 7
2023年11月26日(日)
御指導 松浦 良則 先生
水仙(スイセン)
2024年11月研究会見本花 水仙 小菊
平成28年12月優秀花 水仙 小菊
ヒガンバナ科スイセン属の多年草。
開花期は12月から翌年5月頃。原産地はスペイン、ポルトガルを中心に北アフリカまでの地中海沿岸地域、アジア中部まで広がります。原種は30種類ほど知られており、現在においても色や形の異なる品種が多くあります。小原流ではラッパスイセン、ニホンズイセンがよく使われます。
ニホンズイセンは室町時代以前に中国を経由して日本に渡来したと言われています。スイセンという和名は、中国での呼び名「水仙」を音読みしたもの。中国で名付けられた漢名の「水仙」は、「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という中国の古典に由来します。水辺に育ち、仙人のように寿命が長く、清らかな姿から名付けられたとされています。別名に雪中花、雅客、方言ではチチロ、キンデバナ、キンデ、シイセン、ハルダマなどの呼び名があります。上品な芳香、色、形も美しく、いけばなの多くの流派で 冬から春の花材として使われています。
小原流では写景様式の葉組が印象的です。琳派、写景自然、小品花にも生けられています。
菊(キク). 花 材 カ ー ド №6
2023年11月29日(日)
御指導 野村 由恵 先生
菊(キク)
キク科キク属の多年草。
開花時期によって、夏菊(6~7月開花)秋菊(10~11月)寒菊(12月以降)などがあります。日本を代表する花の1つですが、在来種ではなく薬草や観賞用として中国から伝来しました。「菊」という漢字は「鞠」に由来します。鞠は「窮」と同じで窮極(究極)や最終の意味を持ち、菊が1年の内で最も終わりの頃に咲くことから「鞠=菊」の字が使われるようになったと伝えられています。
また、平安時代に後鳥羽上皇が菊をこよなく愛し、身の回りのものに菊の意匠を施したことで皇室の紋として用いられるようになりました。花言葉には主に「高貴」「高尚」「高潔」などがあります。
中国では陰陽五行説に基づき陽の数として最も強い力を持つ9が重なる9月9日を重陽と呼び、めでたい日としており菊酒を飲んだり茱萸(シュユ=グミの実)を身につけたりして邪気を払い厄災から逃れる習慣がありました。この風習は菊の花と共に日本にも伝わり重陽の節句として親しまれています。
小原流でも菊はよく生けられていて、花意匠、色彩盛花、瓶花、琳派、様式など、秋が中心ですが他の季節にも使われています。色彩様式:菊の5,3,3は3色の中菊で菊の美しさを表現しています。
蓮(はす). 花 材 カ ー ド №5
2023年8月20日(日)
御指導 川上 裕之 先生
蓮(はす)
写真:信州・木島平村 稲泉寺にある蓮
英名:Lotus 和名:蓮 ハス科・ハス属 開花期 6月~8月頃
蓮は、心を清らかにしてくれる、美しい『極楽浄土に咲く花』。仏教と深く結びつき、過去・現在・未来の三世を表す特別な存在として伝えられてきました。草本性の水生植物で、日本にも古い時代に中国から渡来し、奈良時代には、すでに観蓮会が催されていた記録があるように、夏の花として親しみ深い植物です。蓮は、もともと「はちす」と呼ばれていました。蓮の花床が、蜂の巣のように見えることに由来するとも言われています。その後、「はちす」が「はす」に変化したと言われています。 小原流では、蓮を水辺の情景として写実的に捉え直し、多様な表現をしています。写景様式、写景自然、文人調いけばな、琳派調いけばな(花の美しさと葉の形の美しさを最大限に表現する)などで生けられています。
花言葉は、「清らかな心」「神聖」。
“ 蓮は泥より出でて 泥に染まらず ”
睡蓮(スイレン). 花 材 カ ー ド №4
2023年7月30日(日)
御指導 工藤 亜美 先生
睡蓮(スイレン)
2023年8月優秀花
英名:Water lilly 和名:睡蓮(別名:未草) スイレン科 多年生の水草 和名の睡蓮は、夕方眠るように花が閉じることから名付けられており、また別名の未草は未の刻(午後2時)に花が開くことから由来しています。古代エジプトでは、その花の様子から太陽のシンボルとされ、装飾のモチーフや神話などによく登場する信仰の花です。世界の熱帯から温帯の広い地域で見ることのできる花で、日本でも全国の池や沼などで見ることができます。小原流では「水もの」として扱われ、水辺の情趣を表現します。水盤上に水をたたえて見せる小原流の写景盛花にとって、水面に浮かぶように生け、水面との距離が近い睡蓮は「水もの」を代表する花材と言えます。 花言葉は、「信仰」「清純な心」。
撫子(なでしこ) 花材カード No3
2023年6月18日(日)
御指導 加々美 萌乃 先生
撫子(なでしこ)
ナデシコ科の多年草で、日本各地の山野や河原に自生します。秋の七草の一つです。
開花時期は 4 月から 8 月。赤やピンク、白、黄色などの花を咲かせます。花びらが糸状に細かく 分かれているものや、繊細な切れ込みが入っているのが特徴です。
アメリカやアフリカに約 300 種が分布していて、日本には、4 種が自生しており、カワラナデシコ、シナノナデシコ、フジナデシコ、ヒメハマナデシコがあります。
花が小さく、色も愛らしいことから、幼い子供の姿に喩えて「撫子(なでしこ)」と名付けられたといわれています。淡い花が奥ゆかしい「撫子」。「大和撫子」やサッカーの「なでしこジャパン」など、女性に例えられることが多い花です。秋の季語であり、江戸時代の俳人、松尾芭蕉は「酔うて寝む撫子咲ける石の上」という句を残しています。
燕子花(かきつばた) 花 材 カ ー ド №2
2023年5月14日(日)
御指導 平出 仁穗 先生
燕子花(かきつばた)
アヤメ科アヤメ属の多年草。
池の浅瀬や湿地に生息し、5,6月に青紫色や白色の花を咲かせます。
和名 カキツバタ(杜若 燕子花) 英語名 rabbit ear iris(ラビットイヤーアイリス)
古くは花汁で布を染めた「書き付け花」から転じてカキツバタに。英語名は、花の形がウサギの耳に似ていることが由来とされています。昔から多くの人に愛され『万葉集』などにもたびたび詠まれました。伝統花材として各流派で親しまれてきました。
小原流の写景様式では、燕子花の季節ごとの独自の美しさを尊び、早春・春・初夏・夏・秋・晩秋と六つの表現ができるようになっています。 江戸時代の尾形光琳による金屏風『燕子花図』は大変有名です。東京小原流会館近くの根津美術館所蔵で、毎年春に特別展が開かれ公開されています。
桃(もも). 花 材 カ ー ド №1
2023年3月12日(日)
御指導 白戸加奈子 先生
桃(もも)
バラ目バラ科モモ属の落葉小高木 原産国:中国
花言葉:貴方のとりこ チャーミング 気立ての良さ
気立ての良さ の由来は桃が女性への敬いの象徴のため
春の花材として昔から使われてきた代表的なもので、邪気を払う縁起物として古くから飾られてきました。
いけばな伝書では1552年に『宣阿弥花伝書』にそれぞれの節句にいける花が記されています。その中で「3月3日もも」と記されています。ひな祭りが現在のかたちとなったのは江戸時代。上巳の節句を飾る文化はそれよりも古くから行なわれていました。
春の草花
- 貝母百合(ばいもゆり)
花言葉 威厳 凛とした姿
春の草花です。俳画的な渋みがあり、茶花的な雰囲気があります。漢字では「貝母」と書きます。地中の鱗茎がちょうど貝殻をぴったりと合わせたような形なのでこう呼ばれているそうです。
淡緑色の控えめな花で繊細かつ上品な趣。よく見ると花の内側に紫色の網目模様があり、細い葉の先がくるんとぜんまいのように巻いています。
冬の草花
- 水仙(すいせん)
花言葉は、自己愛やうぬぼれ
日本水仙(ニホンズイセン)は、花は控えめでかわいらしく、気品のある姿と香りで人気があります。日本には、南宋の頃に修行僧が持ち帰ったといわれています。 漢名は中国の古典から「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」。綺麗な花の姿と芳香がまるで「仙人」の ようなところから命名されたようです。ひがんばな科スイセン属の多年草で、学名は「Narcissus tazetta var. chinensis」。属名の「Narcissus(ナルキッソス、ナルシサス)」は、ギリシャ神話に登場する美少年の名前にちなみ、種名の「tazetta」は、イタリア語で「小さいコーヒー茶碗」、小名の「chinensis」は、「中国の」を意味しています。*秋の草花 [#sc2d213c]
秋の草花
- 吾亦紅(われもこう)
野原に咲く赤い花。バラ科の植物です。
夏に咲く花ですが、吾亦紅の花が咲き始めると、秋の到来を感じます。中秋の名月に薄とともに飾りたい花です。
名前の由来は諸説ありますが、花そのものが「われもまた紅なり」と紅の色を主張したともいわれています。
はかなさのなかに潔さをも感じる花です。
われもまた 紅なりと ひそやかに 虚子
いけばなにも多く使われ秋の風情を表現しています*夏の花を紹介します [#m6575082]
夏の花を紹介します
- スモークツリー
花の散ったあとにふわふわとした毛のようなものが伸びてその部分が少し離れたところから見ると煙が立ち上がっているように見えるので、「スモークツリー」という名前が付けられました。けむるように咲くのでけむりそうとも呼ばれます。写景自然を生けるときには”霞=かすみ”のように使ったりします。
ウルシ科です。
- 紫陽花
雨にうたれて紫陽花の花が美しく咲いています。
最初は白っぽく咲き、だんだんと色が変わっていきます。
七変化とも呼ばれています。
ワンポイント
水揚げが難しい花です。日中ではなく涼しい時間に切りましょう。
茎の中央の白い部分を数センチほど取り除いてから生けると水があがりやすいです。